情報漏洩発生時に有効なインシデント管理ツールの使用方法

ネット環境が整備された現代社会において、企業が保有する顧客の個人情報などは常に漏洩の危険に晒されています。情報漏洩の原因としては、管理ミスや誤操作などの人的ミスと、ウイルス感染や不正アクセスなどの悪意ある第三者による攻撃に分けられます。情報漏洩が発生すると企業のイメージダウンは避けられず、信頼回復までかなりの時間と労力を要されます。もし、情報漏洩が発生してしまった時には、出来るだけ迅速に原因究明し、被害を最小限に抑える必要があります。インシデント管理ツールを活用して、インシデント事例と、その発生予防法、解決法を共有することで第二の被害を防ぐことができます。具体例では、WEBサイト上への不正アクセスによる個人情報の取得被害に関しては、最新のWebアプリケーションファイアウォールなどを導入し、未然に防ぐことが可能になります。

インシデント管理ツールの必要性を検討する

インシデント管理を行う際に、エクセルなどで管理するには、件数的にも機能的にも限界があります。いかに迅速にユーザーのインシデントに対応し解決するかが大切なので、適切なインシデント管理ツールを活用することが欠かせません。インシデント管理は、第一にインシデント発生を認識することから始まります。次に状況を把握し、解決案の検討と提案、そして解決策を実施して状況を回復させることで終了します。この流れの中で、対応する担当者を決定し、インシデント発生元へ復旧の目途を連絡したり、復旧までの代替案を提案したりする作業も入ってきます。インシデント管理ツールを導入すると、過去の同様の事例が容易に検索できますし、担当者名や進捗状況などが対応部署全体で共有することができます。属人的であった対応事例の共有が可能になり、将来のインシデント事例への解決策を整然とストックすることが可能になるのです。

インシデント管理ツールの具体的な活用事例

例えば、社内のある部署でパソコンソフトがフリーズし受付担当部署に問い合わせが入り、システム担当者が原因を探るという場合、インシデント管理ツールを導入すると、受付担当部署とシステム部署の誰が担当しているか、現在の進捗状況はどうなっているのか、以前にも同様の事例が発生していないかどうか、発生していた場合はどのような解決策をとっていたか、などが一目瞭然に分かります。インシデント管理ツール導入によって、迅速な解決が容易になり、復旧までの目途も過去のデータをもとに概算しやすくなります。このことは、インシデント発生元と問い合わせ先の解決者との両方にメリットをもたらします。ただ、管理ツールを最大限に活用するためには、問題解決までの過程や顛末を漏らすことなく記録しておくことが大切になります。